官能小説販売サイト 園ひとみ 『もっと辱しめて』
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園 ひとみ   もっとはずかしめて

目 次
もっとはずかしめて
寝室のぞき
私の身体で燃えて!
見られるのが好き
青い性の誘惑
感じる愛撫
娼婦願望の女

(C)Hitomi Sono

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   もっとはずかしめて

     1

 奈央美はバスルームを出て、ホテルの備え付けの浴衣を着た。
 洗面台の鏡に、顔を映し、ウェーブのかかったセミ・ロングの髪を軽く直してから、ドアを開けてベッドへ足を運ぶ。
 ルームライトは消してあり、ベッドライトが淡いオレンジ色の灯を投げかけている。
 江本優介が、待ち兼ねたように奈央美を抱き寄せ、唇を重ねた。
「愛してるよ」
 唇を離して優介が囁き、奈央美の身体から浴衣をやさしく脱がせていく。
「あたしも……」
 小声でそう言いながら、奈央美は今から始まる優介とのセックスに、少しも期待していない自分の気持ちに気づく。
 かと言って、嫌々ながら抱かれるというわけでは、なかった。
 江本優介は、フィアンセである。
 半年後に結婚して、その後はずっと彼に抱かれることになるのだ。
 できれば優介とのセックスで、心も身体も燃え上がりたい。
 ベッドの中では互いの肉体に夢中になって快楽をむさぼり合う。それが愛し合う男女の自然な行為だった。
(でも、あたしのこの身体は、駄目なんだわ……)
 不感症とか冷感症というわけではなかった。
 過去に奈央美は、我を忘れて狂乱するほどのセックスの快楽を味わっている。
 優介とは、一度もそんなふうにならないのだった。
 優介のセックスが、下手だからというのではなかった。
 三十二歳の彼は、それなりに女性経験も性体験もある。
 彼のセックスでたいていの女性は満たされるだろうと思った。
「ねえ、今夜は何だか……感じちゃいそう」
 優介の唇に、乳房を吸われながら、奈央美は甘い声で呟いた。
 演技ではなく、願望であり、一種の自己暗示かもしれなかった。
「感じさせてやる。素晴らしい快感を、奈央美に教えてやるよ」
 優介も裸になり、奈央美のむっちりとした太腿から秘部へと、唇を這わせていった。
 きめの細かい、薄い小麦色の肌である。ボリュームのある豊かな乳房と、細くくびれた腰、豊かな尻、長くしなやかな脚線美が、野性的でセクシーな魅力を際立たせていた。
 男たちが、まさにふるいつきたくなるような、若々しく魅力的な女体だった。
 それなのに、二十七歳のその肉体は、恋人の愛撫を受けても、何の反応も表れないのだ。
 肌が、熱くならない。
 身体のどこも、汗ばんでこない。
 触れられたどの部分でも、ふるえも硬直も起こらなかった。
 演技で感じている声をあげても、奈央美が本当に感じているかどうか、それなりの性体験のある男にはわかるはずだった。
 けれど、優介は、奈央美が声をあげるほどには快感に包まれていないことは、むしろ歓迎したくなるらしかった。
 何故なら、それは奈央美の男性経験や性体験の浅さの表れであり、自分がこれから教え込んで歓喜を覚えさせる楽しみがあるからだった。
「もう、入れたくなった……」
 と、優介が顔を上げ、奈央美におおいかぶさるようにして挿入を果たした。
「うう……」
 優介が、快感の呻きを洩らす。
「いいかい? 感じる? 気持ちいい?」
 息を弾ませながら、優介が聞く。
「とてもよ……好き……優介さん……」
 半ば演技で喘ぎ、呻きながら奈央美は優介の身体にしがみつくようにした。
「うう、いいよ……奈央美」
 優介が甘美な抽送を繰り返しながら口走る。
(やっぱり、今夜も駄目……)
 と、奈央美は喘ぎながら思った。
 彼のペニスを、挿入された時、瞬間的に熱くなっただけの肉体は、今夜も燃え上がりそうになかった。
 過去のセックスを、奈央美は思い浮かべようとした。
 そうすれば、性感が上昇そうな気がしたのだ。
 中年男の、淫らな言葉の数々。
 奈央美をこの上なく辱しめる言葉。
 男から命じられ、ひざまずかせられ、男性器への口の奉仕を強要された。
 乳房をわしづかみにされ、男の手で、尻を何度も叩かれた。
 奈央美の両手首は、男のネクタイできつく縛られていた。
 最初の日から、そのネクタイがあった――。
 前の会社に勤めていた時の上司、大崎課長と二人きりでオフィスに残って仕事をしていた夜だった。


 
 
 
 
〜〜『もっと辱しめて』(園ひとみ)〜〜
 
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