官能小説販売サイト 北山悦史 『学園ストーカー』
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北山悦史    学園ストーカー

目 次
第一章 闇夜の凌辱
第二章 恥辱のブロンド教師
第三章 父娘姦淫
第四章 童貞喪失
第五章 血塗られた脅迫者
第六章 白い生贄たち
第七章 媚薬の淫交
第八章 堕ちた女教師
第九章 怒りの淫液
第十章 魔獣と美少女
第十一章 悲哀の甘声
第十二章 粘りつく闇

(C)Etsushi Kitayama

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 第一章 闇夜の凌辱

     1

 夏の闇にまぎれて、私立聖美学園高等部二年の三浦真吾は、今日も二十倍の双眼鏡と望遠レンズを装着した赤外線カメラを手に、二十六歳の美人国語教師、西野素子のマンションをうかがっていた。
 真吾が身をひそめているのは、その四階建てマンションの裏手、小高い森になっているところだった。
 マンションまでの距離は十五メートルあるかどうか、明かりはもとより、テレビの音や時に人の話し声も届いてくるが、うっそうとした茂みが体を隠し、マンションから真吾の姿を見ることはできない。
 むろん真吾も人目につかない服装をしている。紺のTシャツに黒のジーパン、茶色の靴という格好だった。ジーパンの腰には虫除けスプレーを下げている。夏の必携品だった。
 真吾と素子とは、朝から晩まで一緒、といってもいいぐらいだった。しかしそれは、一方的な関係でのことだった。素子が望んでのことではない。素子は真吾の担任でもなく、授業を受け持っているわけでもない。
 素子は、マンションから歩いて五分ばかりのところにあるバス停から、学園までバス通勤をしている。学園まで三分の一ほど行ったバス停で、真吾は乗り込む。
 バスの便は多くはない。毎日、二人は一緒になった。素子が一つ前、あるいは後の便にずらして乗っても、真吾は素子の乗ったバスにちゃんと乗る。
 一つ前の便から、すでに真吾は自分の乗るバス停にいるのだった。満席でバスがやってきても、素子が乗っているかどうか、動物的なきゅうかくで真吾は察知する。
 それは真吾の特技でもあった。勉強も体育も芸術科目も、これといって得意なものはないが、そうした特殊能力は、ずば抜けたものを持っていた。
 真吾の通う聖美学園は、埼玉県大宮市と熊谷市のなかほどの栗田町にある。栗田町は人口二万八千の、これといった産業もない、小さな町だ。その町外れに、中等部、各学年六クラス、高等部、各学年九クラスの聖美学園はあった。
 学園は、『一芸に秀でた人間を育てる』ことを趣旨としていた。真吾は高等部からの生徒だが、入学試験の面接で、特技は何か、という問いに、「部屋に何人の人間がいるか、男が何人で女が何人か、だいたいわかる」と答えた。
 面接官たちはどよめき、大いに興味を示して、その場所からずっと離れた職員室に、今、男の先生と女の先生が何人いるかと訪ねた。
 真吾は目をつむり、しばし頭の中を探った。闇の中に、男の顔が十か十一、女の顔が五つ、浮かんだ。若くてきれいな女が指をしゃぶっているようなのも、見えた。真吾はそれをそのまま答えた。
 面接官の一人が職員室に電話をした。と、その男はにわかに色めき立ち、興奮した目でほかの面接官たちを見回している。
「誰か指、しゃぶったりしてませんか? え? あ? ほんとに!」
 その男が叫んだ。面接官たちは総立ちになった。
「えっ、そっ。西野先生が? えっ、ほんとに。あー、そうなの。いや、面接のことでね。ちょっと。それじゃ」
 電話を切った男が、驚きを隠さずに報告した。職員室にいるのは、男性教師が十一人、女性教師が六人、指をしゃぶっているのは国語の西野素子先生で、机の引出しで指を挟んだらしい、と。
 数がどんぴしゃりではなかったが、そんなのは問題でなかった。「若くてきれいな先生が指をしゃぶっている」というところまで答えたとあっては、面接官たちが真吾のことを『超能力少年』と思っても、無理からぬことだった。
 それはそれとして、美貌の女性教師、西野素子は、真吾が入学する前から、真吾の頭の中にしっかりと場所を占めていた、といっていいかもしれなかった……。

 真吾のようなのは特殊なケースとしても、数学、音楽、美術、いろんな種目のスポーツ、それぞれを得意とする生徒が、この学園にはうようよいるのだった。
 それが“売り”の学校なので、小さな田舎町にあるのに、大宮や浦和、熊谷はもちろん、交通の便がよくないのに、川越や春日部などからも入学希望者が列をなすほどで、東京から来ている子もたくさんいる。そういう子たちのために、寄宿舎もある。
 しかし、入学後は、必ずしも順風満帆とはいかない。小学校や中学校のとき特殊能力を誇っていた子たちも、いつかしら“普通の”子になっていたりするし、そんな子や寄宿舎組の中には、落ちこぼれて不良行為に走る生徒たちがいるのも事実だった。
 真吾も、いつのまにか、これと決めた美人教師のあとをつけるのが生きがいとなっていた。朝から晩までつきまとって――。

     2

 素子の部屋は、二階の端から二つ目だった。真吾がいるところからは、窓が二つ見える。向かって右側がリビングで、左が寝室だ。
 その両方にピンクのカーテンがかかっているのだが、幅のサイズがきっちりなのか、何か引きつりでもあるのか、しばしば端っこのところに隙間が出来る。
 真吾はその隙間から、覗いていた。十数メートルの距離から二十倍の双眼鏡で見ると、手が届く近さに見える。なおかつ真吾のいるところは窓と同じ高さなので、映像的には、ベランダにひそんで覗き見ているのと同じようなものだった。
 素子は抜けるような色白の肌の持ち主で、幼稚園ぐらいの子供のようにちょっと寄り目なのが、真吾には最大の魅力だった。
 素直な長い髪を頭の真ん中でやんわりと分け、後頭部にバレッタやリボンの飾りをつけている。バレッタやリボンは毎日取り替え、一週間で二日と、同じものをすることはない。真吾の調べたところでは、素子は二十四個の髪飾りを持っている。
 寄り目の大きな目、やさしい眉、ちんまりとしたかわいい鼻、震いつきたいほど可憐なおちょぼ口、ぺたぺたと叩いてやりたい衝動に駆られる丸っこいあご。
 そのすべてが、真吾にとってはなにものにも代えがたい魅力に満ちたものだったが、ボディもまた、満々と魅力をたたえたものだった。
 毎朝、バスで一緒になり、生徒用と教職員用の玄関に分かれるまで、寄り添うようにして校庭を歩く。帰宅時はまた、一緒のバスで帰る。日中も、真吾は素子の姿を見つけては、一緒に時を過ごす。
 それで真吾が目測したところでは、素子は身長百五十六センチ、スリーサイズは、八十六、五十八、八十八だった。体重は四十七キロと見ている。
 そのことを真吾が言うと、素子は否定も肯定もしなかったが、二重まぶたの寄り目を大きく見開いたのだった。誤差はきわめて小さいと、真吾は知った。
 その素子は今、リビングのソファに腰を下ろし、顔の右半分を真吾に向けている。テレビを見ているのだ。淡いオレンジ色のタンクトップに、アイボリーホワイトのスカート姿だ。ストッキングははいていず、透明感この上もない脚を見せている。
 素子がスパゲッティミートソースと、トマト、レタス、キュウリ、バナナ、ハムのサラダの一人きりの夕食を終えたのが十分近く前、それから数分、姿を消した。
 バスタブに湯を張るのと歯を磨くのに、洗面所に行っていたのだ。それはいつものことだが、素子が歯を磨いてきたのは、真吾にはよくわかる。おちょぼ口の口元がすがすがしい。ミントの香りが届いてきそうだ。


 
 
 
 
〜〜『学園ストーカー』(北山悦史)〜〜
 
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