官能小説販売サイト 北山悦史 『禁断の花芯』
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北山悦史    禁断の花芯

目 次
若嫁のいけない指
不倫の贈り物
くじられの若嫁
弟はM男
禁断の若嫁
禁断の蜜悦
禁断の蜜事
肛悦の美母
禁断の花芯
若妻の悶え

(C)Etsushi Kitayama

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   若嫁のいけない指

     1

 また、指を濡らしてしまった――。
 ティッシュで拭いただけでは、恥ずかしいニオイは取れない。布団からこっそり抜け出したはるは、二階にも洗面所があればいいのに、と思いながら、足音を忍ばせて階段を下りた。
 階下で寝ている義父母を起こしたりしないようにしなければならない。もう、十二時半近い。こんな時間に洗面所に入るのを、知られたくない。何を思われるか、わかったものではない。事実、〃そう〃なのだ。それも、夫に愛されて、というのではなく、一人で指を使ってしまって……。
 階段を下りきったとき、そこに人影がいるのに驚いた。ヒッ! と、声を上げるところだった。暗闇に、義父のかつひろが突っ立っていたのだった。寝室から出て歩いてきたのであれば、足音で気づいただろうが、まるで千春が階段を下りるのを待ってでもいたかのように、ぬーっと立っていたのだ。
「あ、お父さん。びっくりしちゃったあ」
 ノースリーブのネグリジェの胸を抱き、千春は声をひそめて言った。普通の声を出さなかったのは、すぐ右手の寝室の義母を起こさないように、というつもりだった。
「トイレかい?」
 克博も、声をひそめて言った。トイレは、階段を下りて左側にある。トイレの手前が、千春が行こうとしていた洗面所だった。
 そうだと、千春は答えた。トイレに行くのであれば、変に勘繰られる心配もない。それを否定して、洗面所に、というのであれば、危ない。もっともそれは、今日もまたオナニーをしてしまった自分の、後ろめたさゆえの気持ちなのかもしれなかった。
ひでは寝てるのかい? 帰ってきて、バタンキューみたいだったけど」
「そ。三十分もしないで寝ちゃいました。疲れたー、の一言で、バタン」
 義父が何を言わんとしているのか、探りを入れながら、千春は答えた。
 新橋にある、インテリア・クリーニング機器会社の営業をしている夫の英樹が帰宅したのは、十一時半過ぎだった。十時前後に帰るのは珍しくもないことだが、ここずっと、十一時、あるいは十二時近くの帰宅がつづいている。朝は早い。六時半には家を出る。
 一歳半になる娘のを産んでから、〃女の歓び〃に真に目覚めた二十七歳の千春が、夜な夜な体のうずきにもだえるようになったのも、疲れて帰る夫が、燃え盛る肉欲を満足させてくれないからのことだった。疲れているのはわかっているが、せめて一週間に一度ぐらいは……と思っているのに、もう丸々一ヵ月も、抱いてくれていない。
「三十分もしないで? そうかな。そんなんじゃなかったみたいだけどな」
 首をかしげて、克博は言った。千春は、ドキッとした。たしかに、英樹は帰宅して一時間、たつかどうかで眠ってしまった。それから千春は、そばで眠っている英樹と娘の美夏にひっそり隠れるようにして、秘密の快楽にあえいだのだ。首をかしげた克博の様子が、まるでそのことを問い詰めているような気がして、生きた心地もしない。
(早く、手、洗わなくちゃ……)
 オナニーの証拠を、消してしまわなくちゃと、千春は思った。
「じゃあ、上から聞こえてきたあの声は、何なんだろ」
 克博はカサにかかって攻めた。かわいい嫁がこっそり何をしていたのかは、先刻ご承知だ。だてに五十五年間、生きてきたわけじゃない。いずれ下に下りてくるだろうと、ここで待ち構えていた。
「上から?」
 と言ったきり、千春は言葉を失ってしまった。声は、必死に抑えていたはずだ。が、われ知らず、漏らしていたのかもしれない。夫が抱いてくれるときも、自分では声なんか出していないと思っているのに、すごい声を上げているらしいのだ。そのことが頭にあるから、義父の言葉を、無視することはできなかった。
 暗闇の中で、嫁がろうばいしたのを、克博は知った。自分の半分しか生きていない〃女の子〃をろうすることなど、わけはない。克博は、決めにかかった。
「あれ? 千春ちゃん、なんか、におわないかい?」
「えっ? におうって……」
 千春は取り乱し、胸を抱く格好だった両手を、下にやった。両手を使って自慰にもだえた自分でも、朝まで耐えられないと思っているニオイだ。克博がそのことを言ったのは間違いないと思うと、このまま消えてしまいたい気持ちになった。
「ちょっと、いいかな。手」
 そう言うよりも、動作のほうが早かった。千春が、アッ! と思ったときには、右手をつかまれ、胸の前に引き上げられていた。
 
 
 
 
〜〜『禁断の花芯』(北山悦史)〜〜
 
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