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平 龍生    肉宴の女たち

目 次
Gエリアの快楽
女教師犯す
悪夢の精算
淫魔の棲む館
相乗りおや
淫蛇の夢誘い
禁断の領域
肉欲の業火
満月の夜に咲く花

(C)Ryusei Taira

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   Gエリアの快楽

     1

「神様は女の体から男を分離して、男をこの世にお送り出しになられた。そう言うことだから、男の体にあって女の体にないものはない。男は女の分身でしかなく、女性はオールマイティの存在ってわけだ。まあ、造物主の神様に近いと言うことか。それだけ、女性の体は神秘的に造られているってことだよ」
「わたし、神様に感謝しなくちゃね」
「例えば、男の亀頭部はクリトリスと同じ構造を持っているし、最新の性医学で話題に上ることが多いGスポットも、厳密に言うと、男性の前立腺と似た構造だと言うことだ」
 ラブホテルの一室で、前島清と矢野美奈子とはすでに裸身を絡め合っていた。
 今日が初めて抱き合う日、二人とも、思いひとしおと言うことになる。
 今夜は、どうしても、Gスポット快感を女体に授けてやりたいものだと思い、性のレクチャーを訳知り顔に前島は口にした。
 前島は三十七歳で美奈子は二十四歳の組み合わせ、性のほどきをするには、この年齢差がものを言いそうだった。それなりの女性経験が前島にはあったと言うことでもあった。
 美奈子は大柄の女で、高校、大学を通して、陸上のハードル選手として、名を知られた存在、インターハイ、国体などにも選手として出場した元アスリートの一人だった。
 その均整の取れたプロポーションもさることながら、よく鍛えられた肉体にも、前島は大いなる興味を持っていた。
(きっと、どこもかしこも、無駄なく筋肉は鍛えられていて、見るだけでその美しさに惚れ惚れとするに違いない。いやいや、何より、男だから、乳房のかたちだって、アソコの造作のほどだって、みんな、わが目にしっかりと収めておきたいものだ)
 これまで抱いた女とは違うタイプの女だから、俗な意味でのよこしまな興味も前島にはあった。
(普段、目に触れないところだって、鍛えられた分、美奈子は発達しているのではなかろうか。多分、アソコは盛りマン相? うーむ、これは、有り得る話だな。スポーツで鍛えた女は、格別に発達具合のいい女が多いと何かの本で読んだことがある。いや、きっとそうに違いない)
 あらぬ妄想の果てにものにした女、その裸身を目で舐めながら、いま、前島は至悦の時を過ごそうとしていたのだった。
 裸身をベッドに横たえた時、何より、固さを保った乳房のかたちに、しばし、前島はれた。息を呑むほど美しかった。
 およそ、裾野などと言う無駄な部分は乳房には見当たらず、それ自体で存在感を示していた。触れるのが躊躇ためらわれるほどで、その分、前島は見蕩れたのだった。
 ちらと目を遣った限り、下半身の発達も並大抵のものではなかった。
 特に、太腿は張ち切れるようにぱんぱんで、きゅっと、よく締まっているのが一目で分かった。これまた、どこにも無駄な筋肉はない。
(これは凄いや。さぞかし、膣穴の締めもこれは半端じゃないだろうな。いやいや、何より、Gスポット責めには適合した筋肉を備えているようだ。そうに違いない)
 美奈子を誘った時から、前島は美奈子のGエリア開発に大いなる興味を持っていた。
 膣前壁に集中している陰部神経の一部がGエリアと言われるところで、この部位は、クリトリス、尿道などとも構造的には繋がっていた。また、会陰部の括約筋とも連動性があるので、ことのほか、女性の快感度が高いとされる極め付けのポイント。
 筋肉が鍛えられていることと、Gスポット機能とが直接に関係していると言う根拠はなかったが、アスリートの鍛えた筋肉なら、Gスポット帯も発達しているはずだと、ありそうな話に前島は興味をつないでいたのだ。
「ね、前立腺って何?」
 すっかり、前島の教え子になり、美奈子が無邪気な口調で問うて来た。
 美奈子は性知識と言うものは余りないように前島には思えた。現役はもう退いているが、これまでスポーツに夢中になっていた分、男遊びの機会はそれほどはなかったのではと、勝手な思いも前島は抱いていたのだ。
 前島は運動具品を扱うスポーツ店のオーナー。特に、陸上競技が好きでトラック上で活躍する矢野美奈子の一ファンとして競技場まで足を運び、何度もその勇姿は目にして来た。
 矢野美奈子の得意競技は、四百メートルハードルで、一つ一つのハードルをクリアして行く時の彼女の張ち切った内腿の筋肉の美しさが、今でも、前島の脳裏にはあった。その点では、とても、セクシィな存在でもあった。
 店主と客の関係になるが、誘いは美奈子の方からで、年上の前島が受けて立った。
 一度目は二人で食事をした。
 その時、やたらと、男女の事柄に興味を示すので、性の会話にと持ち込んだら、美奈子は乗って来た。
 みんながみんな、スポーツ選手と言うのは、スポーツ一途と言うことでもないようだった。
 アスリート同士、結構、セックスの話はするらしく、また、それなりの性の交流もあるようで、美奈子は耳学問のほども発達させて、好奇心を募らせて来たふしがあった。
『何でも、夢中になるタイプで、セックスだって、わたし、半端じゃいや』と、美奈子は言ってものけた。度胸も据わっていた。
 それで話の流れの中で、Gスポットのことにまで話が及んでしまい、
『スポーツ選手なら、この快感も感受出来るかも知れない。他の女性とは筋肉の鍛え方が違うはずだから』
 と、自分の期待分も含めて、前島はGスポット攻略法の一説などを述べ立てた。
 その結果の今夜の二人の逢瀬で、ここは一番、美奈子の期待にも応えなければならないプレッシャーも少しは前島にはあった。
 Gスポットと言う女性の膣壁上部、五、六センチほどのところにある性感帯ゾーンについては、指で刺激することによって収縮し、極みには、尿状のしぶきを噴出する現象ありと、すでに、美奈子には説明してあった。
 いわゆる潮吹現象と言われるものだが、この言葉はすでに美奈子は耳にして知っていた。
「前立腺だが、男性の場合だと、アナルの内部、四、五センチほどのところにその部分ありってことだ。わたしもまだ自分のアナルまでは探ったことはないけれど、同性者同士でアナル挿入の行為に及ぶと、それだけで、責められた男は快感を覚えて射精してしまうって話を聞かされたことがある」
「へえー、男の人にも? そうなんだぁ」
「女性の場合、前立腺は尿道孔の裏にあるって言うよ。これは、小さなペニスを女性も内蔵しているってことなんだが、G噴射の潮吹き症状、男性の射精そのもの。この点でも、男女に差はなし。いや、男にあって女性にないものはないってことさ」
「わたしの、ソコ、どうなるの?」
「どうなるかは、美奈子ちゃんの感じ方次第だな。千差万別、その辺のところは、神様の思し召し、まあ、男と女の相性もあるしね」
「お尻の穴みたく、わたしのアソコがすっごく締まるようになるかも知れないって、前島さん、この前わたしに説明したわ」
「順を追って美奈子ちゃんを導いて行くことにするよ。二人は今日初めて抱き合うんだから。いきなり、Gスポット感覚が訪れるってことじゃないかも知れないし。究極の技に導くには、手間暇を掛けないとね。女体はその点でも、神秘的に出来ているんだから」
「優しい前戯からってことぉ? その仕上げの技が、Gスポット責めなんでしょ? ホント、わたし、すっごく、期待してるんだ」


 
 
 
 
〜〜『肉宴の女たち』(平龍生)〜〜
 
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