官能小説販売サイト 蘭光生 『ハードレイプ!』
おとなの本屋・さん


蘭 光生    ハードレイプ!

目 次
第一章 箱詰の人妻
第二章 指木馬
第三章 毛芝焼き
第四章 泣き叫ぶ白い肉蝉
第五章 撞木責め
第六章 溶ける氷柱花
第七章 挿入図鑑

(C)K. Ran

◎ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
個人利用の目的以外での複製等の違法行為、もしくは第三者へ譲渡をしますと著作権法、その他関連法によって処罰されます。


 第一章 箱詰の人妻

     1

 やっぱりガンだった。
 総合病院の検査室をタライまわしされたあげく、やっと出た結論が死病の宣告だった。もちろん日本の医者は、そんなことはおくびにも出さない。だが、医者同士の会話のなかで、私ははっきり聞いたのだ。「ツェー」という言葉を。
 ガンは英語で「Cancer」という。星占いでおなじみの言葉「蟹座キャンサー」の「蟹」のことだ。その醜悪な腫瘍の表面が、いかにも蟹の姿態に似ているところからきたという。その頭文字の「C」をとり、それをドイツ語流に発音して「ツェー」。だから、医者の隠語で「ツェー」といえばガンのこと。その言葉を、私ははっきりと聞いたのだ。この耳で……。
 そう言われなくても、私には大体わかっていた。父も、兄も、それに弟などは二十代でガンで死んでいる。私は三十歳だ。人生の節目である。キリがいいと喜ぶべきだろう。とはいうものの、さすがに、そうはっきり宣告されてみると、いや、宣告されたわけではない、もしかすると私の思いすごしかもしれないが、とにかくそうだと自分で自覚したときには、やはりショックだった。私の心は、夜中の小学校の校庭のように暗く、空っぽになった。
 あと半年、よくて一年……。
 私には、父や兄弟の症状から、自分の寿命が予測できた。手術したり強烈な副作用をともなうガンの特効薬を飲めば、あともう一年ぐらいは長生きできるだろう。しかし、その間は入院し、苦痛と麻薬との間を往復するだけで、何ひとつ生産的な行為はできない。母は父より先に死んでいる。姉は嫁いでいるし、もう私の面倒を見てくれたり、悲しんだりしてくれる人間は、この世にはいない。
 私は、体の動くうちに、やりたいことをやることにした。それがたとえ法に触れることであろうと……。警察に捕まり、裁判にかけられ、監獄に入れられても、寿命があと一年となれば、どうということはない。妻も子供もいない身なら、誰に迷惑をかけることもあるまい。姉には少し気の毒だが……。
 三十歳になるまで結婚しなかったのも、これが理由だ。姉と私だけは、ガンの魔手から逃れられたと思っていたが、万一を考えて独身を通したのがよかった。三十五歳まで様子を見るつもりだったが、とうとう三十歳で、そいつに捕まってしまったらしい。五年も待ち呆けを食わなかっただけ、ましといえるかもしれなかった。
 その死病のかすかな自覚症状を感じたときから、私はそのときの対処方法を考えはじめていた。そして今、それが現実性を帯び、映画館の大看板のようにバカでかくクローズアップされて私の前に立ちふさがったのだった。
 美女を片っ端から強姦する!
 これが私の唯一の計画であり、この人生におけるたったひとつ残された私の夢であった。それは、夢というより妄想と呼ぶべきかもしれない。だが、妄想も具現性を備えてくると、これはもうひとつの立派な実現性のある計画である。私に必要なのは、私の精神的モラルから罪の意識を抹殺することだけであった。
 それともうひとつ、行動力がある。その気になりさえすれば、それは自然に湧いてくるはずであった。やる気になれば、もうあとはやるのみ。昔からよく言うではないか。「人間、死ぬ気になればなんでもやれる!」と。その死ぬ気になったのだから、私にはもう恐いものなし、であった。
 ただ「やる」といっても、私には自分の夢に課したひとつの条件がある。それは、相手は必ず「美女」でなければならない、ということであった。女ならなんでも、というわけにはいかないのだ。別に気どっているわけではない。私が自分の身分不相応に、面クイだったこともある。
 私にはもう時間がない。どうせ死ぬなら、できる限りうまいものを食って死にたいのが人情である。ただ腹がいっぱいになるというだけでは、あまりにももの哀しいではないか。今までにない贅沢なセックスを楽しむ。それには善も悪も見境なく、ただひたすらに最上のものを選び、その手段は選ばない。たとえ、その餌食になる美肉が自殺しようと、離婚されようと、私の知ったことではない――という覚悟が必要であった。
 では、その美女をどこで手に入れるのか? という問題がある。
 まあ、毎日のように、沿線に高級住宅地のある私鉄に乗り、獲物をハントするという手もある。ハントといっても、いわゆるガールハントみたいに、声をかけて一緒に飲んで踊って……などという生ぬるい手は使えない。襲い、縛りあげ、犯す、というバイオレンスが私の目標なのだから。一流デパートや高級貴金属店などに網をはって、いいカモを見つけたら尾行し、家をつきとめて……という方法もあろう。しかし、これは中年の女が多いから効率はよくないはずであった。
 美人ならホステスやモデルを狙えばいいではないか、というかもしれない。言い忘れたが、私はただの美女ではもの足りないのだ。やはり精神的にも、知的にも美しい女でなければ……。心のブスな女は、顔がどんなに美しくとも、その美しさのなかに、なにか嫌味が出てくる。そんなのには用がない。ホステスやモデルのように美しさを職業にしているのも、私の好みではなかった。
 それにもうひとつ、うるさい希望条件がつく。処女よりも人妻がいいのだ。それも、結婚一年から二年目くらいの。
 処女はセックスに対する反応が鈍い。これからそれを仕込むだけの時間が今の私にはない。そこへくると、人妻は一応、性体験が豊かだし、結婚して一年以上もたてば、性感もほどほどに開発されている。かといって、三年以上もたってはいささか“お古”というイメージがつきまとう。やはり結婚一、二年といったところが、初々しさも残っていて、生贄としては手頃といえよう。そんな女を私は欲しいのである。
 これだけむずかしい条件が揃えば、それらの“美肉”を手に入れるどころか、探しだすだけでもいかにむずかしいかがわかろう。これは妄想どころか、たわごとというべきかもしれない。
 美しくて、聡明で、気品があって、若くて、結婚して一、二年目の人妻。これだけの条件を満たす女が、この広い東京に、いったいどれだけいるというのか? その数もたかがしれているというのに、それをどうやって探しだすのか? 探しだしたら、どうやって罠にとすのか? それも、できるだけ捕まらないように……。
 だが、私には、彼女たちを探しだすことができる! いや、もうすでに探しだし、彼女たちの住所、電話番号、夫の勤務先まで知っているのだ! なぜなら、私はそれが可能な世界に勤めていたからである。おわかりだろうか? それとも、そんな職業が現実にあるわけがない、とおっしゃりたいのだろうか?


 
 
 
 
〜〜『ハードレイプ!』(蘭光生)〜〜
 
*このつづきは、ブラウザの「戻る」をクリックして前ページに戻り、ご購入されてお楽しみください。
 
「蘭光生」 作品一覧へ

(C)おとなの本屋・さん