高 竜也 妹・梢
目 次
一章 いたずらな浴室
二章 もだえる十六歳
三章 うごめく淫獣たち
四章 とざされた梢の想い
五章 はじらいの浴室
六章 ぼくを狂わす魔性
七章 くわえられた肉茎
八章 だらくした兄
九章 けがされた純潔
十章 のぞいてしまった未来
十一章 小さな菊蕾
十二章 さすって、呑んで
十三章 なめられた秘所
十四章 こぼれる滴
十五章 いちばん大事な兄
十六章 びんかんな魂
十七章 とけあう兄妹の体
(C)Tatsuya Kou
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一章 いたずらな浴室
蒼井章吾は背中を丸めたまま身を固くしていた。湯煙に混じって、甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
さっさと出てってくれよ……。
祈るような心の叫びが元木南美に聞こえるはずもなかった。南美は何度も大きなスポンジにボディソープをかけ、ていねいに章吾の背中を洗っている。もういい、と断るわけにはいかなかった。
「よくもこんなに垢を溜めたものね」と、さっき小言を言われたばかりだ。南美はなにかにつけて世話を焼いてくれるが、少し出しゃばりすぎるところがある。章吾にとって、時にはそれが負担になるものの、無下に断れない事情があった。妹の梢と二人で、一年近く前から南美の家で世話になっていたからだ。
一年前、蒼井兄妹の両親は結婚二十周年を記念して京都・奈良旅行に出かけ、交通事故に遭って亡くなった。兄妹は母親の姉、春子が嫁いでいる、同じ札幌市内にある元木家に引き取られた。
元木家には女子大生の南美と、章吾と同い年の純一という姉弟がいた。彼らとは同じ札幌に住んでいて、幼い頃から遊び友だちだったが、章吾と梢がおとなしい兄妹に対し、南美と純一姉弟は、自由奔放というか、少し不良っぽい面があった。
だからなのか、ともかく、梢は、二人のいとこに少し距離を置いて接していた。章吾にはそれがよくわかっていたので、自分は無理してでも南美や純一に溶けこもうと努力した。
いとこの南美が無遠慮に「こんな垢を溜めて」と言ったのにはわけがある。章吾は道内有数の進学校である北進高校のラグビー部に所属していた。ところが先日、道内対抗試合で右肩から二の腕にかけて大怪我を負い、以来ギプスで右腕を固定していた。従って入浴することができずにいた。
しかし体は痒くて気持ちが悪いので、一人で脱衣室に入った。服を脱ぐのにも四苦八苦している時、トイレに立ち寄った南美が気配を察してなかに入ってきた。
シルクのネグリジェ姿の南美は、なんとかなると尻ごみする章吾に、「年上の言うことは聞くものよ」と言うなり、服から下着まですべてを脱がしてしまっただけでなく、背中を押して浴室まで入ってきたのである。さらに、戸惑う章吾の背中に、ギブスにかからないように上手にお湯をかけてくれ、「ゆっくり入りなさい」と言って、自分はしゃがみこんで、章吾がバスタブから出るのを待ったのだ。
確かに右腕を使えないで高くかかげて入るしかない章吾は、一人で体を洗うこともできないのでありがたかったのだが、それ以上に大迷惑だった。というのも、南美の格好がネグリジェ姿ということもあり、大きな乳房やくびれたウエスト、ヒップのラインまでがくっきりと浮きでていたので、そのことを意識しすぎた章吾の分身が、バスタブのなかで膨張してきたのだ。
のぼせる寸前でバスタブから出た章吾は、タオルで前を隠し、南美に背中を向けて椅子に腰かけた。その時、南美はネグリジェを濡らさないよう、両膝よりもさらに裾をたくしあげていた。その姿をタイルのはめこみ鏡のなかに見た章吾は動揺した。
「もっとリラックスしなさい。ほらほら、腕をおろしちゃ駄目でしょ」
鏡のなかで笑いながら、南美は脇腹を擦り、そのまま何事もないように章吾の前にまわった。
「大丈夫。自分でするよ」
章吾のかすれる声を無視して、南美は首筋から胸、そして下腹に向かってスポンジを滑らせていった。章吾は沈黙し、すべてを委ねるしかなかった。いくら南美だって、前を覆っているタオルまでは取り去るようなことはしないと思っていた。大きなフェイスタオルはお湯をたっぷり吸収していた。その重みはかなりのもので、それが幸いして勃起現象はあんまり目立たなかった。
洗ってくれていた南美も、さすがに股間は避けた。臍のあたりまでくると、今度は足の指先を丹念に洗いはじめたのだ。
指の間まで細かく洗ってくれるので、くすぐったいが、気持ちいい。股間にまで洗う手が伸びてこなくて安心したこともあり、章吾は目を閉じた。
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