官能小説販売サイト 一条きらら 『愛人願望』
おとなの本屋・さん


一条きらら   愛人願望

目 次
荒くれ男を愛した
義弟に襲われて
秘部に媚薬を塗って
背徳の交じわり
愛人願望
あなたの性の奴隷
魅惑のエクスタシー
肌を許した人妻

(C)Kirara Ichijo

◎ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
個人利用の目的以外での複製等の違法行為、もしくは第三者へ譲渡をしますと著作権法、その他関連法によって処罰されます。


   荒くれ男を愛した

     1

 帰宅して、はショルダー・バッグとスーパーのレジ袋に入った食品を、キッチンの床に置いた。
「ああ、疲れた」
 思わず、一人言と、ため息が口から漏れた。
 服を着替え、手を洗うと、テラスに干してある洗濯物を取り込む。
 縁側から和室の中に、乾いたタオルや下着を取り込んだ後、シーツやバスタオルを両腕にかかえたまま、
(眠い……)
 と、猛烈な睡魔に勝てず、畳の上へ倒れ込むように横になって、目を閉じた。
 すうっと、眠りの底に引き込まれる。
 晩秋の昼下がりだが、暖かい日だった。
 今朝は夫がゴルフのため、午前四時半に起床したのである。
 夫はボリュームのある朝食が好きだから、いつもと同じように一時間かけて朝食の用意をした。
 洗濯機を回しながら、食事の後片づけ。
 夫が車でゴルフに出かけた後、いつもなら沙絵はベッドに戻って、〃二度寝〃をする習慣だった。
 けれど、今日はそれができなかった。
 都下に住む姑が入院していて、見舞いに行くことになっていたからである。
 その日は午前中に来て欲しいと、昨夜、義理の姉から電話があった。彼女は、夫の姉である。実家の近くに住んでいるので、入院した母親の面倒を見ているのだった。
 毎日、母親の入院した病院へ通っている義姉が、今日の午前は用事があるので、沙絵に来て欲しいという頼みだった。
 彼女からの電話に、沙絵は、
「わかりました。いつも、お義姉さんにばかり、お義母さんのお世話をさせてしまって、すみません」
 そう言った。沙絵も月に一度は、病院へ見舞いに行くようにしているが、義姉はそのことで不満を口にしたことはなかった。
「じゃ、お願いね。明日も午前に検査があるらしいけど、その前に顔見せてやって。病人だから仕方ないけど、お母さん、このごろ、気むずかしくなってて、売店で買って来る物とか頼まれるかもしれないけど、お願いね」
 義姉にそう言われたので、姑の検査が始まる前に行かなくてはと、早起きした後の〃二度寝〃どころではなかったのである。
 結局、病院には義姉が来るまでいて、一緒に昼食も取り、それから電車に乗って帰って来た。
 夫は昨夜、好きなゴルフのために早々と寝たけれど、沙絵は家の中のことをいろいろしたり、義姉と電話で話したり、朝食の下ごしらえなどもすませてから寝たので、午前零時になってしまった。
 四時間半しか寝てなくて、片道二時間近くかかる都下の病院に往復して帰って来たのだから、疲れて眠り込んでしまうのも無理はなかった。
 それから、どのくらい眠ったのかわからない。
 室内はまだ明るいままだから、三十分か一時間ぐらいだろうか。
 何かの物音で、沙絵は、ふと目を覚ました。
 家の外の道路だろうか。眠りの底から浮かび上がったものの、まだ眠気が貼りついている感じで、沙絵は目を閉じたまま、何となくその音に耳を澄ませた。
 すると、突然、テラスに面した障子が開いた。
 もちろん自然に開いたわけではなく、誰かの手によって開けられたのである。
 誰かの手――は、男の手だった。
 男といっても、今ごろゴルフに夢中になっている夫の手ではなかった。
 ということを、男の手を見て確認したわけではない。そんな余裕など、なかった。
 突然、障子を開けたのが、
 ――男の手――
 と、その音と気配で、沙絵は一瞬にして直感したのである。
「きゃあッ」
 と叫びながら畳の上から跳ね起きて、沙絵は両手を口に当てがった。
「奥さん……この家に、奥さん一人だね」
 突然の男のちんにゅうしゃが、そう言いながら、後ろ手に障子をゆっくり閉めた。
 
 
 
 
〜〜『愛人願望』(一条きらら)〜〜
 
*このつづきは、ブラウザの「戻る」をクリックして前ページに戻り、ご購入されてお楽しみください。
 
「一条きらら」 作品一覧へ

(C)おとなの本屋・さん