蘭 光生 肉 襲
目 次
第一章 淫狼の罠
第二章 漆黒のデルタ
第三章 牝姦レッスン
第四章 肉人形
第五章 しゃぶり花
第六章 悶羞のかなた
(C)K. Ran
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第一章 淫狼の罠
1
珍しく娘の三鈴と一緒に朝食をとっていた竜野慎一郎は、何か久しぶりに自分の娘を見たような気がしていた。いや、娘というよりは、美しい女性を発見したような気持を味わっていた。
「あなた、どうなさったの? さっきから三鈴の顔ばかり見て……」
そう妻にいぶかられたぐらいである。東日本競馬会副理事長としての多忙な日々で、つい毎日の生活が不規則になり、一家揃って朝食するという機会がほとんどなかった慎一郎にとって、このところめっきり女らしくなった一人娘の三鈴に、あらためて男としての感情をいだいたくらいであった。
「ごちそうさま! 行ってきます」
弟の慎介が、コップのミルクを一気に飲み干すと、パッと席を立った。
「なんだ、もう出かけるのか?」
「ぼく、なんせ、まだ高校生だもんね。大学生の姉さんみたいに、のんびりしていられないんだ」
三鈴はニコッと弟に微笑んだ。幼い頃からケンカ一つしたことのない仲のいい姉弟だった。姉の三鈴が今時の女の子には珍しい、おとなしくて淑やかな女だったからかもしれないが、もともと愛情の細やかな弟思いの姉だからであろう。ほっそりとした面立ちの日本式の美人だったが、痩せてはいなかった。ふっくらした肉づきで、水着になると抜群のプロポーションの持ち主である。女子大の二年生で、高校三年の弟とは三つ違いだったが、発育ざかりの弟の慎介のほうが二十センチ近くも背が高かった。慎介は高校ではアメリカンフットボール部のクォーターバックをやっているだけに、弟と並ぶとひどく小柄に見えるが、同年代の女性のなかに入ると、けっこう目立つほうだった。
すっかり女らしくなって……。
父親として、我が子の美しさが面映くも誇りでもあった。
みずみずしい若さと、まだ男の手が触れていない感じの清純な聖らかさが、慎一郎の男心に迫り、いつかこんな美しい娘を嫁にする男に、なぜか嫉妬心さえいだきかねない思いを感じていたのである。我が子ながら、親の欲目を計算に入れても、慎一郎には、三鈴がそれほどまでに美しく貴重な珠玉に思えたのだった。
その三鈴が、レモンティを飲み終えると、ふと思いついたように母親に言った。
「そうでしたわ、お母様。今日は帰りが遅くなるかも。もしかしたら、中井さんのお宅に泊まるかもしれませんわ」
「まあ、そう。夜はお友だちとどこかにお出かけ?」
「ええ。中井さんがディスコに連れていってくださるんですって……」
「まあ、よかったこと。ゆっくり遊んでいらっしゃいな」
妻ののんびりした、おっとりしすぎた返事に、父親の慎一郎のほうがあわてた。
「おいおい、いいのかい、娘をそんなところに行かせて……」
「よろしいじゃないですか。もう三鈴も立派な大人ですし。高校時代は勉強ばかりして、つらい受験戦争で神経をすりへらしたんですもの。今くらい好き勝手なことをさせてやらなければ、あまりにも可哀相じゃございません? それに三鈴でしたら安心ですもの」
「まあ、そう言われりゃあそうだけど。三鈴、もう彼氏ができたかい?」
父親の問いに、三鈴は顔を伏せて、
「いいえ……まだ……」
「そうか。そうだな。そろそろお婿さんのことも考えなけりゃあいかんか。もう、そろそろお見合いの相手を探さんとな……」
「そうですわね。でも、まだ少し早いんじゃございません? 来年あたりからぼちぼちと……」
「そんなのん気なこと言ってると、あっという間に変な虫がついて……ということになりかねないぞ。うむ。とにかく、お婿さん探しをはじめたほうがよさそうだ」
三鈴は両親のそんな会話を聞きながら、ほんとにそうかもしれない……と思った。
私もいよいよお嫁入りのことを本格的に考えなくては……。
それにしては、まだボーイフレンドの一人もいないのが悲しいといえば悲しかった。高校は受験専門の女子校だったし、大学も女子大なので、なかなか男子学生と付き合うチャンスがなかった。家に兄でもいれば、年上の男性と付き合う機会もあったのかもしれないが、三つ下の弟ではそれもできない。それに、あまり社交的でないひっこみ思案の性格も災いしたのかもしれなかった。
ようし。今夜はディスコで、いい男をナンパしちゃうぞ!……
心のなかでは勇ましい決心をしたものの、現実にはとてもそんな勇気など自分にあるわけがないことも、三鈴はよく承知していた。せめてもの唯一の頼りは、中井江里奈であった。
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