官能小説販売サイト 蘭光生 『義母・輪姦す』
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蘭 光生    義母・

目 次
義母・
悪魔のようにもう一度
危険な色に濡れたバカンス
群・盗・塁
喪失ゲーム
死にゆく者への鎮魂歌レクイエム

(C)K. Ran

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   義母・

     1

 一人きりの姉のいずみが嫁に行ったのは、去年のことである。まもるは幼いころに母を亡くし、それ以来、十歳も年上の姉が、守の母がわりとなってずっと家庭の面倒を見てきた。だから守は、それほど母親が恋しいとも欲しいとも思ったこともなかったし、母親にない家庭にありがちな、多感期の少年時代に非行に走ることもなかった。
 守の父親は弁護士で、こうじまちに法律事務所をかまえ、若いが相当なやり手として名が通っている。それだけに収入も多く、経済的にはおおいに恵まれていたので、家事などは住み込みの中年のお手伝いさんがいっさい面倒を見てくれていた。そして愛情面で、姉の泉がいつも母親がわりをつとめていてくれたのである。
 父に後妻をもらう話は何度もあったが、そのつど、一人息子の守のことを考えて父親自体が断わった。姉の泉も反対だった。
「守ちゃんは感受性が強いし、内気な子だから、継母が入ったら、なんだかぐれてしまいそうな気がするの。せめて、中学を卒業するまでは、いまのままのほうがいいみたい。お父さまもそれまで我慢なさって……。女の方と遊ぶのはかまいませんけど、家に入れるのだけは……」
「わかっている。おれも泉の意見に賛成だ。しかし、それまで待つと、おまえの結婚が遅くなってしまう。おれはそれが心配だ」
「だいじょうぶですわ。守ちゃんが高校に入る年ごろでも、わたし、まだ二十六歳ですもの。最近の結婚の平均年齢はそれくらいの年ですのよ。それまでは、お父さまと同じように、わたしも適当にやりますから……」
「おいおい、おれがナニを適当にやってるというんだ?」
「あら、わたし、なんかいったかしら?」
 泉の明るい思いやりのある性格のおかげで、家庭はいつもなごやかで平和に満ちていた。父親も女遊びするよりも仕事のほうがおもしろいほうなので、心ゆくまで仕事に情熱を注ぐことができた。
 しかし、守が高校に入った年、姉の泉が結婚して家を出てから、守は家から急に火が消えたようなせきばくとした淋しさに心が沈みこむ日が多くなった。結婚していなくなるまで、姉の存在がこれほどまでに大きいものだとは想像もしなかったのである。守は、姉が嫁に行くものとしか考えていなかったが、実は守にとっては〃母親〃も同時にいなくなるということに気づかなかったのだ。
 それは父親にとっても同じことだった。一人娘を嫁にやるぐらいにしか考えていなかったものが、娘と主婦を同時に失ったのだ。それだけに、泉が嫁に行くと同時に、父親の再婚話が急にもちあがったときには、父も守も真剣にその気になった。守も無性に母親が欲しかった。
「あんまりオバンじゃいやだな。パパ、できるだけ若い人、もらってよ。まあ、姉さんくらい若くなくてもいいからさ」
「おれだって、そのほうがいいさ。よし、できるだけ若い女性を探すとするか。どうだ、三十くらいならいいだろうが?」
「そうだな、三十が限度だな」
 めぐり会いというものはおかしなもので、父親がそんな気になったとき、たまたま仕事のうえでの依頼人というかたちで、彼はすみを知り、わずか半年後に結婚したのだった。真澄は初婚だが、二十九歳のハイミスだった。家柄も良く、美しい女性だが、なんとなく婚期を逸し、気がついてみたらもう三十近くになっていた、というよくあるパターンである。
 結婚の前に、守は二、三度、自分の〃継母〃になる真澄に会っている。だが、最初に会ったときのショックに近い興奮が、いつまでも尾を引いた。
 守は中学からずっと受験専門の男子校だったので、ガールフレンドらしいガールフレンドもいなかった。それほど社交家でもないし、友人たちにも軟派がいなかったので、なんとなくガールフレンドに縁がなかった。それだけに、真澄をはじめて見た瞬間、母親になる人というよりも、美しい異性として彼女が心の印画紙に焼きついてしまったようであった。
 三十歳近いとはいえ、真澄は二十五歳といっても通用するくらい若々しい華やかさをもっていた。姉の泉と同じくらいの年齢にしか、守には思えなかった。そしてその印象は会うたびに強くなり、逆にますます、守の心のなかで真澄のイメージは若返っていった。
「どうだ、おまえのリクエストどおりの年齢だ。気に入ったかい?」
「うん……」
 彼女に対する思いが、父親へのやましさとなって守の心の隅にこびりついていたため、明るい返事ができなかった。父親はそれを逆にとった。
「あまり気に入らないようだったら、断わってもいいんだ。おまえにとってはたいへん重要なことだからな。とにかく大学に入るまでのあと二、三年間は、精神的にもいちばん大切で傷つきやすいときだし。おまえによけいな悩みが生じて受験勉強にさしさわりでもできたら、それこそ、いままでの努力がパーになってしまう……」
「いや、ぼくはだいじょうぶ。いいんじゃないの、あの人なら……」
 
 
 
 
〜〜『義母・輪姦す』(蘭光生)〜〜
 
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