官能小説販売サイト 一条きらら 『桃色愛戯』
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一条きらら   桃色愛戯

目 次
第一話 蜜の三重奏
第二話 淫らな花園
第三話 淫戯がいっぱい
第四話 舌愛姉妹
第五話 可愛いペット
第六話 桃色蜜戯
第七話 秘唇の競宴
第八話 倒錯の新妻
第九話 白い淫戯

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   第一話 蜜の三重奏

     1

 美由紀は、風呂に入るところだった。
 黄色いTシャツを脱ぎ、白のミニスカートを脱いで脱衣籠に入れる。
 スリップの肩紐を外した時、背後にスリッパの音がした。
「可愛いよ」
 かげやまが、後ろから美由紀を抱きすくめ、ショーツの上から素早く股間をまさぐった。美由紀は思わず、
「あんっ」
 と小さな叫び声を上げた。が、居間にいる景山の妻に聞かれなかったかと、心配になった。
 景山はすぐに美由紀を離し、浴室の脇のトイレに入った。
 美由紀は全裸になり、浴室のドアを開けた。
 汗ばんだ肌に、シャワーが心地いい。
 女子大生の美由紀は、身長は百六十センチ足らずだが、肉づきの良い身体をしていた。肌はやや小麦色だが、胸も腰もふくよかで弾力があった。
 顔も美人の方だった。特に黒眼の勝った大きな瞳が印象的だった。
 美由紀が景山家に来て一週間たつ。
 景山夫婦には、子供がなかった。が、別に養女になったわけではない。一カ月間、夫妻と同居することを、景山俊彦と契約したのだ。
 三十五歳の俊彦は、父が社長をしている建築会社の専務だった。体格のいい、なかなかの好男子で、美由紀の好みのタイプだ。
 彼とは、愛人バンクの紹介で知り合った。
 愛人契約をして二月目に、美由紀は景山に家に同居して欲しい、と頼まれたのだ。
 但し彼の妻には、景山の友人夫妻が海外へ出張中のため、一人娘を預かる、ということにしてあった。
 一カ月間の契約で、報酬は五十万円である。
 美由紀は初め、妙な契約をする男もいるものだな、と思った。が、報酬は魅力だった。美由紀は夏休み、友人とハワイ旅行をするつもりだった。
 美由紀は身体を洗いながら、景山のことを考えた。この一週間に、彼は美由紀を一度しか抱いていない。日曜日、彼の妻が外出した時だ。あとはトイレに立つふりをして、下着姿の美由紀に抱きついたり、妻の眼を盗んでいたずらをするだけだ。
 これでは一カ月の間に、ほんの数回しかセックスすることはないだろう。
 何のために同居などさせるのだろう。景山も妻も、子供のいない淋しさを美由紀によって紛らわせたいためだろうか。
 景山の妻の葉子は、色白でぽっちゃりした顔付きで、多少ぜい肉は付いていそうだけれど、美由紀より背が高くスタイルがいい。
 彼女は美由紀の前でも夫に甘えたような態度を取ってみせる。そして美由紀にも、もの珍らしさからかひどく優しいのだ。
 普段アパートに一人暮らしの美由紀は、たまにはこんな生活も変化があっていいわ、と思う。
 ただし週に一度のセックスでは、何だかもの足りないみたい、とも思うのだった。
 だがその夜、景山は大胆にも美由紀の部屋に忍んで来た。
 夫婦の寝室は二階で、その真下が美由紀の部屋である。
 夫婦が二階に上ってから一時間ばかりした頃だった。階段を下りて来る、忍びやかなスリッパの足音がした。
 美由紀はベッドの上で推理小説を読んでいた。
 と、ドアのノックの音がかちりとして俊彦が入って来た。
 美由紀は、本を胸の上に置いて、彼を悪戯っぽい眼付きで見つめた。そして低い声で、
「奥さんは?」
 と訊いた。
「うん、多分寝ちゃったよ」
 パジャマ姿の彼は、ベッドに入って来た。
「多分、だなんて。大胆なことするのね」
「淋しかったかい?」
 俊彦は美由紀の手から本を奪って、ぐっと抱き寄せた。美由紀はしのび笑いをしながら、
「ええ、淋しかったわよ、奥さんとばかりいちゃつくんだもの」
「いちゃついてなんかいないさ」
 美由紀の白いネグリジェを彼は脱がせにかかった。
「あたしが何だかあてられに来てるみたい」
「君が来てから新鮮な気分になったんじゃないかな」
「ほんと? じゃあ、夫婦のアレも新鮮になった?」
「どうかな。……うーん、いいおっぱいだ」
 美由紀は全裸にされた。弾力のある乳房を、俊彦がゆっくり揉み始めた。美由紀は少し、息を喘がせた。
「ね、奥さんとどっちが、いいおっぱい?……あン、くすぐったい」
 美由紀は小さな悲鳴を上げた。乳首を口に含まれて久し振りのせいか、くすぐったい感じだ。
 が、とがり出した乳首に舌を絡ませられると、鋭い快感が湧き起こり、美由紀は身体をくねらせ、喘ぎ始めた。
 喘ぎながら美由紀は、
「奥さんほんとに……寝ちゃったの?……もしかしたら、まだ……ああッ、感じる、すてき、ああ……」
 吸い立てたまま舌をそよがせる微妙な彼の愛撫に、とろけるような快感を味わっていた。
 
 
 
 
〜〜『桃色愛戯』(一条きらら)〜〜
 
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