官能小説販売サイト 川本耕次 『まんぐり返しの少女』
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川本耕次    まんぐり返しの少女

目 次
ザーメンリンスが好きッ!
まんぐり返しの少女
センセエ(たち)のお気に入り
湯けむりロリータ
友佳ちゃんのムキムキ玉子
妹、ふたり
紺パン娘
ふたりぽっちの花火大会
少女採集法
家庭教師

(C)Kouji Kawamoto

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   ザーメンリンスが好きッ!

     1

 乾燥機のまあるい窓の中で、レースっぽいパンティがクルクルまわっている。
 もうひとつの乾燥機では作業服が。
 そして安っぽいパイプ椅子にはちょっと可愛い顔をした女の子が座っている。
 中学生かな? でも、中学生はあんまりコインランドリーには来ないけど。
 ママのお使いで乾燥機だけ使いにきたんだろうか。モコモコした白いモヘアのセーターにチェックのミニスカート。
 文庫本を読んでいる。
 ごく普通のコインランドリーの風景だったが、ひとつ、予想外だったのは洗濯機もみんなふさがっていたことだ。
 五つある洗濯機、みんな、蓋に紙袋が載せられている。
 ……困ったなあ。
 ビニール袋いっぱいの下着やシーツを抱えて、ボクは途方に暮れた。
 ランプが消えているのも何台かあるから、そのうち空くだろう。
 そう考えるしかない。
 袋をコンクリートの床に置いて、ボクはいったん出た。
 となりの銭湯の自動販売機で缶コーヒーを買って戻ったんだけど……。
 驚いたの何のって、なにしろさっき置いたばかりの紙袋を、あの女の子がゴソゴソしているんだ。
 一瞬、見まちがいかな? と思った。ボクのじゃなくって、彼女の荷物なんじゃないかと。
 けれどどう見たって、ボクのだ。
 その証拠にその娘が摘みあげたのは、紺色の超薄型、超ビキニ。勃起したらチンチンが半分は確実にはみだすというブリーフだ。
 続いて見覚えのあるシャーリー・テンプル模様のTシャツ。原宿でしか売ってないはずだから、いよいよ間違いない。
 それはポイと戻して、ビキニ・ブリーフだけをサッと別の袋に。
 そこで彼女はハッと、ボクの姿に気がついたのだ。
 時間が凍りついてしまう。
 しかも、その娘は見る見るうちに真っ赤になってしまった。
「す、すいませんッ!」
 シラをきっていればいいものを、わざわざ謝ってから逃げだそうとする少女。
 けれど、ボクは入口だ。
「ちょ、ちょっと待てよ」
 立ちふさがって制止した。
「すいません、すいませんッ!」
 ボクを突き飛ばしてまで、逃げようという少女。
 けれどボクだって、こんな小娘にパンツを盗まれたまま、おめおめと引き下がってられるもんか。
「あの、これには深いわけが、見逃してください」
 まるで万引きを見つかったみたいな慌てぶりだ。
「どうでもいいけど、ボクのパンツ、置いてってくれないかなあ」
 逃げようとする女の子を阻止しようとして抱きしめるみたいな嬉しいかっこで言うと、彼女は可愛い顔をますます赤く染めて、へなへなとしゃがみこんでしまうのだった。
 こういう場所で女物の下着を盗むヤツは多いらしい。
 洗ったパンティなんか魅力ないじゃないか、という説もあるけど、じゃあ、洗ってないパンティがどこに行ったら盗めるかというと、またむずかしい問題があって、……なんてことはどうでもいい。
 けど、男物の下着が好き、なんて変態オンナがいるなんて話、あんまり聞いたことがない。
「それ、ボクのだぜ。女物じゃないよ」
「……はい」
 観念したのか、うつむいたままの少女を椅子にすわらせる。
「じゃあ、どうして? 何か理由があるんだろ?」
「言えません。許してください」
 首をふって泣きそうな顔をするばかりだ。
「困ったなあ。許すも許さないもないけどさ。たかがパンツ一枚だから。……実はボクは小説家でね。好奇心がひと一倍、強いんだ。わけを聞かせてくれれば、そんなもん、あげたっていいんだけど……」
 そう、いまだにボクの超ビキニのブリーフはその娘のビニール袋の中なのだった。

 
 
 
 
〜〜『まんぐり返しの少女』(川本耕次)〜〜
 
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