官能小説販売サイト 由布木皓人 『美姉妹・凌辱解剖』
おとなの本屋・さん


由布木皓人   美姉妹・凌辱解剖

目 次
第一章 手淫に溺れる妖しき美女
第二章 暴虐者の黒い血脈
第三章 美姉妹、採集解剖計画
第四章 磔にされた姉の花芯
第五章 妹の理性を砕く凌辱浣腸
第六章 恥辱と屈辱と恐怖の儀式
第七章 魔性に蝕まれた淫乱姉妹

(C)Kohjin Yuhki

◎ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
個人利用の目的以外での複製等の違法行為、もしくは第三者へ譲渡をしますと著作権法、その他関連法によって処罰されます。


 第一章 手淫に溺れる妖しき美女

 空は抜けるような青空だった。草原は無声映画の映像のように音もなく、緑の海原を山裾にひろげている。真夏の太陽が灼熱をはらんで、大地を暑さで押し黙らせていた。天空には竹箒で掃き流したような絹雲が浮き、彼方には荒々しい地肌をのぞかせた勇壮な山がそびえたっている。山は天孫降臨の地として知られる神々の里、高千穂の峰である。
 そんな炎天下のなかを、男がひとり、まるでほどけた毛糸の上を踏みながら走ってでもいるかのように、ゆるやかな草原の斜面を躍る足取りで駆けおりていた。
 男の髪はボサボサ、まるで小鳥の巣のようだ。ズボンからは、だらしなく開襟シャツの裾が飛びだしている。手にはナイロン製の白い捕虫網を持ち、腰のベルトには革製の三角缶を取りつけている。首に日除けのハンカチを巻き、肩からはカメラとショルダーバッグ、それに双眼鏡までたすきがけにしてぶらさげていた。
 暑さが呪いのように皮膚にまとわりついている。開襟シャツが背中にペッタリとはりつき、肌が浮きだしていた。
 男が、額から流れ落ちる汗を手の甲で拭う。それでも目は一心に、空中を飛び交う一匹の蝶に注がれていた。捕虫網の先端を草原に這わすようにして構え、血眼になって追いまわしていた。
 蝶はアオタテハモドキで、その美しい青いはねを輝かせながらスイスイと飛んでいた。タテハチョウ科の蝶の飛翔は、敏捷ですばしっこい。男がきりきり舞いをさせられているのは、そのアオタテハモドキがツバメのように飛ぶことのできるタテハチョウ科の蝶だからである。
 蝶は火の神のような素早さで草原を越えた。山道を横切り、キリシマミズキの林に逃げこんだ。
 林のなかには、一軒の洋館建ての別荘があった。アオタテハモドキは、いたずらな案内人ででもあったかのように、男を庭先まで誘導していった。そして、ふわりと窓の下に植えられた灌木を越え、部屋のなかへと逃げこんでいった。
 窓に白いレースのカーテンが揺れていた。人のいる気配は感じられなかった。
 男は足を忍ばせて窓の下まで行き、そっとなかの様子をうかがってみた。
 部屋は十二畳ほどの書斎で、中程に大きな机が置かれていた。窓の正面はドアである。そして両サイドの壁際には、ぎっしりと本の並んだ重厚な書棚が立ちはだかっている。机の上に読みかけの本があり、蝶はその上で翅を休めてとまっていた。
 男は捕虫網を手に、蝶に目を据えたまま窓の下で身構えた。やがてまた、窓から外へと飛びだしてくるのを待つ。なんとしてでも、そのアオタテハモドキを捕まえたいという一心だった。
 男の名は正木忠。東京の中学校で理科の教師をしている虫屋だ。その虫屋のなかでも、蝶を専門にしている蝶屋である。
 虫屋とか蝶屋とかいう呼び方は、昆虫採集をしているコレクター同士の間で使われる言葉だ。その言葉が一般には通じないように、そのコレクションの趣味も、なかなか世間の人たちには理解してもらえない。この真夏の炎天下で、大の男が、網を持って蝶を追いまわしているのだ。理解しろというほうが無理な注文かもしれなかった。
 正木は中学校の教師という仕事も、夏休みや冬休み、春休みという、まとまった長期休暇がとれる職場だという以外には、なんの魅力も感じてはいなかった。暇さえあれば採集や撮影に、全国の野山を蝶の姿を求めて歩きまわっていた。そして美しい蝶を採集して、標本をうっとりと眺めることだけが、彼の欲心の帰結である。
 日本産の蝶は二百二十余種であるが、二十八歳になるこの齢までに、ほとんどをカメラにおさめ、標本にしていた。あとは世界各国の蝶である。けれども正木は、飛行機が大の苦手であった。
 標本屋にいけば、外国の蝶を手に入れることは可能だ。だがコレクターとしては、自分の手によって捕らえたものを標本にするのでなければ、その楽しみは半減してしまう。
 正木は、コレクションを日本の蝶だけに絞った。
 それでも沖縄や八重山諸島まで足をのばさなければ採集できないものもある。飛行機が苦手な正木としては、船に乗ってでも行かなければ出会うことすらできない。だから、その種のいくつかは諦めた。
 しかし、コバルトブルー地に赤い目玉模様のある美しいアオタテハモドキと、焦茶色の地に半透明の淡いエメラルドグリーンの縞模様や斑紋の意匠を凝らしたリュウキュウアサギマダラだけは、諦めきれないでいた。なんとか八重山諸島まで行かずにその夢をかなえる手だてはないものかと、日頃から思案を巡らせていた。
 タテハチョウ科やマダラチョウ科の蝶は、飛ぶ力が強い。ごく稀にではあるが、鹿児島や宮崎あたりまで飛んでくることもある。それを迷蝶という。台風などの強い風に乗ってやってくる可能性が高いのだ。
 正木は今年の夏休みをそれに賭けた。そして宮崎の別荘地、高千穂の峰に、東京から出向いてきていた。
 今、その待望のアオタテハモドキが、正木の目の前にいる。
 正木はじっと窓の外から、再び蝶が飛び立つのを待ち受けていた。
 蝶は窓から飛びだしたあと、どの方向に飛んでいくだろうか。別荘の周囲を見まわした。
 前方に枝を扇のようにひろげたキリシマミズキの林が見えていた。枝の合間を、ミドリシジミが群れながら飛んでいた。
 蝶には、飛んでいるものを追いまわすという習性がある。アオタテハモドキはおそらく、あのミドリシジミの群れのなかに向かうだろうと狙いを定めた。額から噴きだす汗を拭いながら、もう一度、本の上で休んでいるアオタテハモドキに視線を投げかけた。
 蝶はそんな彼をからかってでもいるかのように、不気味な赤い目玉模様で正木の視線を見かえしている。
 そのとき、誰かが書斎に向かって歩いてくる音を耳にして、正木はあわてて身をかがめた。蝶を追って入ってしまったとはいえ、やはりここは人家の庭だ。窓の下に身を隠し、息を押し殺した。
 
 
 
 
〜〜『美姉妹・凌辱解剖』(由布木皓人)〜〜
 
*このつづきは、ブラウザの「戻る」をクリックして前ページに戻り、ご購入されてお楽しみください。
 
「由布木皓人」 作品一覧へ

(C)おとなの本屋・さん