官能小説販売サイト 内藤みか 『性の実技はオールA〜女子大生・菜々の愛液カレッジ〜』
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内藤みか    性の実技はオールA〜女子大生・菜々の愛液カレッジ〜

目 次
愛液研究室
愛液キャンパス
愛液学生寮
愛液映画道場
愛液グルメ

(C)Mika Naito

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   愛液研究室

  1 ヌードモデル

「見つけたわ……」
 グラフィック部の部室を覗いて、菜々は一人つぶやいた。グラフィック部の活動場所である川園研究室は、大学の一番端のF講義棟にあった。3階まである建物の一番奥まった場所で、窓を開ければ小さな森がある。
 大学の入学式が終われば、新入生達は自分が所属するサークル選びの為に、各部室を訪問する。菜々がグラフィック部を選んだのは、自分が芸術学科であるからだけではなかった。
 このように都心から離れた大学で、ただ埋もれて絵だけ描いていくような生活を望むようなタイプではない。ただ、気に入ったオトコがいるかどうかが、菜々の選択基準だった。
 菜々は、のどかな大学に余り相応しくない派手な恰好を好んでしていた。眩しい位オレンジ色をしたボディコンから、ストッキングもはかない太股を出して闊歩していた。スタイルも痩せ型だが出るところは出ている19歳の女だ。長いソバージュの髪をなびかせて構内を行く姿は嫌でも人目を引いた。
 高校が都心だったこともあり、菜々は相当な目立ちたがり屋だった。繁華街の人込みの中では、輝いていないと、派手でないとオトコは寄ってこないのだ。それに揉まれる環境で青春を過ごしてきたおかげで、自然と男をそそる仕草を身につけていったのだ。ディスコで町中で、菜々は様々な男に誘われ、そして関係を持った。
 だけど、声をかけてくる男ばかりを相手にするだけじゃ、面白くないわ、と最近の菜々は考えていた。口ばっかり上手いナンパ師ばかりで飽き飽きしちゃった。せっかく大学にいるんだから、大学生らしい男と遊んでみたいわよ……。それに、こういうヘンピな大学で、マジメにサークル活動している男って、イガイとスケベなんじゃあないかしら。女と接する機会が少ないだけに、ちょっと誘いをかければ目をギラつかせて、あたしをサンザン楽しませてくれるかもしれない! そうよ、色々なサークルを渡り歩いて、いろんなタイプのオトコを知り尽くすのが、私の大学での研究課題だわ。
 かくして彼女の標的となったグラフィック部の男は、一番キュートな顔をしている渡辺俊一であった。売れっ子バンドのヴォーカルのような華奢な肢体と柔らかそうな茶色い髪に、母性本能をくすぐられたのだ。菜々はその日のうちに入部届けを出し、さりげなく俊一に接近を始めた。
 俊一の瞳は、檻に入れられた愛玩動物のそれとよく似ていた。救いを求めるような目で真っ直ぐ見つめられちゃ、誘わないわけにはいかない。菜々自身は、いつでも彼に声をかける準備は整っていたが、俊一は常に友達と共同制作をしているために、なかなかチャンスに恵まれず、ジリジリとしていた。
 ゴールデン・ウィークが始まろうとしている頃、やっと菜々に機会が訪れた。夕闇迫る研究室で、一人ウォークマンを聴いている彼を発見したからだ。
「渡辺君……」
「あ」
 俊一はヘッドフォンを耳から外すと、菜々に微笑みかけた。
「一人なんて、珍しいわね。いつもみんなで絵を描いてるのに」
「ウン……、あいつら、今日から小笠原に行ってしまってサ。俺だけ金足ンなくて、合流できなくて。暇だから、誰かいないかナって、研究室来たんだけど……。よかった。菜々ちゃんが来てくれて」
 寂しそうに笑う俊一を嬉しいと思う反面、今日しかない、という賭けの気持ちで菜々の脳はフル回転していた。
「一人で何か描いてみたら? 私でよければ協力するから……。例えば、ヌードデッサンとか、どう?」
 ワザと刺激的な事をつぶやくように言って、髪をかきあげ、俊一の反応を見る。
「幸せだろうなあ、菜々ちゃんの裸体を拝めたら……。でも……」
 でも、と照れながら区切って俊一は続けた。
「俺、紙に絵を描く気は、あんまりないんだ。俺が今、興味持っている事って、誰にも言ってなかったんだけど……」
「何? 教えて?」
「ウン……」
 俊一は、上目づかいに菜々を仰いだ。こういう女をいい気持ちにさせるしぐさを、彼は天性で備えているようだった。俊一は一人っこだと以前言っていた。甘えん坊な部分を人一倍持っているのだろう。
「ボディペインティングって、知ってる?」
「知ってるわよ、芸術学科だもん……」
「それ」
 俊一はポツリと言ったが、菜々はためらいをおぼえた。ボディペインティングとは、言葉のままに、人体に様々な模様を塗って表現をする芸術の一種だ。アフリカの民族やインディアンには、まだ顔や身体をペイントする風習が残っている。昨今のサッカーブームで、応援するチームのために、顔に色々描くのも流行していた。だが、菜々は、彼に色々かきなぐられる自分を想像すると、どうにも恥ずかしさがこみ上げて即答できなかった。
「……」
「やっぱり、ダメかな?」
「……」
 でも、ここで断れば、俊一は二度と私に誘いをかけないだろう。だけど、やはり研究室でヌードになるなんて……。菜々は返事をためらっていた。
「ボク、スケッチだけはもう作ってあって、あとはモデルがいればいいんだ」
 俊一はスケッチブックを広げて菜々に見せた。全裸の女性の図の上に、刺青のような、そして宗教画のような、神々しい模様が塗られている。薔薇と、そして蛇と、太陽と、それから目の玉がいくつもいくつも……。

  2 欲情する絵筆

「協力してほしい。誰にも見せない。そっと僕だけの思い出にするから。秘密にする。約束するよ。どんな人にも言いだす事ができなかった。菜々ちゃんはモデルにうってつけの美しさを持っているし、僕のイメージにもピッタリなんだよ」
 懇願する俊一に、菜々は少し哀れみの情を持ちはじめていた。彼だって男だ。自分の裸体を見れば、欲情するに違いない。そうしたら、自分の望んでいた俊一との行為にだって及ぶ事ができるだろう。菜々はチロッと唇を舐めて、甘い声を出した。
「……いいワ。私の身体を使って」
「ありがとう」
 俊一は、ホッとしたように言うと、研究室のドアへ進んだ。
「カギ、かけておくよ。だから安心して」
 カチリ、という音と共に、菜々はジャケットを脱いだ。黄色いボディコンのファスナーを開き、下着姿になる。今日、菜々が付けているのは、白いレースから乳首も陰毛も透けるセットだった。俊一は、そのさまをじっと見つめていた。菜々も負けじと俊一に誘うような熱いまなざしを送った。
「思っていた通り、抜群のスタイルだ。感激だよ、菜々ちゃんのような人にモデルになってもらえるなんて!」
「ふふ……」
 俊一の目は、嘘はついていなかった。彼は、菜々のお碗を逆さまにしたような実りあるバストと、上を向いているヒップに目を奪われていた。
 俊一は絵筆を取り出した。
「人体に適した絵の具だから、バリバリしないよ。ボクがちゃんと拭き取るから、しばらくガマンしてね」
「ん……」
 研究室には、モデル用のマットが置いてある。菜々は静かにそこに横になった。
 俊一は、まだ濡らしていない筆先で、菜々の首筋をそっとなでる。くすぐったいのと、オトコの手以外での不思議な愛撫の感触とで、菜々は思わず小さくアッと声をあげた。
「感じやすいんだね……。ボクが菜々ちゃんの恋人だったら、すごく嬉しいだろうな。だけど、これしきのコトで声をたててちゃ、ダメだ。これから菜々ちゃんの身体中にボクが絵を描くのに。少しガマンしてもらわなくちゃな。僕等はセックスしてるんじゃなくて、芸術作品を作っているんだもん」
「……ゴメンなさい……」
 菜々は思わず目を閉じた。手術前の患者のように、俊一が絵筆というメスを握るのを、怖くて見ていられなくなったのだ。目を開けて見てしまったら、期待感が高まりすぎて、きっと喘いでしまう。そんな自分は悔しいから、今はただ俊一のなすがままになっていよう。
 機械音の如く、俊一が絵筆を水に浸け、絵の具を溶く音が聞こえてくる。菜々はじっと目を閉じて自分が彩られていく様を想像していた。
「いくよ……」
 ピチャっと筆が、菜々の頬に落ちた。冷たい水が、菜々を身震いさせる。白、そして黒……。菜々の両頬に、そして額に目の玉が描かれていった。菜々の熱っぽい瞳よりも更に赤く、いっぱいに見開かれた毒々しい瞳だ。
「肌のキメ、いいね。とても筆が乗りやすいよ。ボク、自分自身に塗りたくった事があったんだけど、がさがさして全然綺麗に塗れないんだ。ホラ、ムダ毛も多いでしょ、一応オトコだからさ」
 そう言って、俊一は腕を菜々にかざした。なるほど、ナイーブな顔つきとは対照的にかなり黒々としている。菜々は、そっとその腕に触れた。
「あったかい皮膚ね……」
「そう?」
 俊一は菜々の誘惑の声に気にもとめず、鮮やかな手さばきで菜々の肩に蛇、肩甲骨にはバラを塗り込んでゆく。下絵も引かず、アッという間にちゃきちゃきとやっている。
「ねえ、ちゃんと構想とかあって、描いているワケ? あんまりサッサとやってるから、なんか心配だなあ……」
「え……、ウン、一応、さっきのスケッチに忠実にやっているつもり。芸術学科なんだから、自分のデッサンをしっかり記憶する位の知能はあるんだから、心配しないでよ。これでもクロッキー(素描)の時間には教授から一番褒められるんだから。それに、菜々ちゃんがカゼひいたら可哀相でしょ? とっととやっちゃった方がいいじゃない」
「ふふ……」
 自分にも気を使ってくれていたのか、と分かってますます菜々は俊一が可愛く思えた。大きな丸い瞳で、じっと自分の身体を見つめて描き続ける彼を『芸術活動』でさえなければ、抱きしめていたいところだった。
「ちょっと、くすぐったいかもしれないけど、次、首を塗るよ……。バラの刺を描きたいからね」
 俊一は、つぶやきながら、菜々の白くほっそりとした首筋にそろそろと筆を這わせた。ぬるっとした絵の具特有の感触と匂いが、菜々を更に敏感にさせた。思わずのけぞった菜々に、俊一が怒鳴った。
「ダメだよ! 動いちゃ! はみ出してしまったじゃないか」
 水を含ませたスポンジを取り出して、菜々の首筋の模様を拭き取りにかかる。水滴がたっぷりと菜々の首からしたたる。思わず声が出た。
「あっ……」
 俊一が手を止める。
「どうしたの?」
「……気持ち、いいのっ」
「すごい、色っぽい声だよ。本当に感じやすいんだね。ボク、続けてもいい?」
「……いいわよ、芸術なんだもんね」
 たっぷりの厭味で言ったつもりだったが、俊一は素直に受け止めたようだった。
「うん、ごめんね。ヘンな気持ちにさせちゃって。もう一時間ぐらいで仕上げるから、ガマンしてね」
 のけぞり、あえぎかけつつも、ようやく首の模様が終わった。鏡を見ると、首を取り巻く何重ものネックレスのように、バラの刺が囲んでいた。
「なんか、不思議……。SMの女王様にでもなったみたいよ」
「これからは、もっと綺麗になるよ。菜々ちゃんはただでさえ、美人なんだからさ」
 優しくおだてながら、俊一は菜々のブラジャーをそっと外した。小振りの乳首が溢れてくる。
 
 
 
 
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