官能小説販売サイト 神坂冬彦訳 『鞭の歓び』
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神坂冬彦 訳  むちの歓び

目 次
第一章 魅惑のミュリエル未亡人
第二章 甘美な歓びにもだえる
第三章 美しい未亡人と女中
第四章 鞭にこがれるジュリエット
第五章 しっに狂った女主人
第六章 高慢な女へのお仕置き
第七章 奴隷にされた女主人
第八章 美しいふたりの召使い
第九章 抱擁しあう二つの女体
第十章 女学生同士の決闘
第十一章 いけにえの姉妹
第十二章 色気づいた娘ふたり
第十三章 のぞきみる鞭打ち
第十四章 三つ巴の鞭打プレイ
第十五章 砂浜の悪ふざけ
第十六章 嫉妬に狂った鞭打ち
第十七章 戸外での鞭打ちショー
第十八章 不意の暴漢たち
第十九章 忘れられない暴行者
第二十章 えじきにされたレディー
第二十一章 しゅにくりんの大狂宴

(C)Fuyuhiko Kamisaka

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   第一章 魅惑のミュリエル未亡人

  「セシル、あなたはひどくみだらなことをしたのよ、その罰を受けて!」ヒューッという鞭の音とともに私の尻に激痛が走った!

 セシル・プレンダーガストは、オックスフォードでの最後の大学祭で、親友のハリイから彼の従姉にあたるミュリエル・ハーコート夫人を紹介され、一目で彼女の美しさに魅せられてしまった。
 彼女はまだ三十歳にも満たない、小柄だが、艶やかな赤褐色の髪、滑らかな白い肌、形よく突き出た胸のふくらみ、細くくびれたウエストに続く豊満な腰――要するに、彼女は一目で私の若い情熱に、火をともしてしまったのだ。
 ハリイの話によれば、彼女は、若くして、ある富裕な醸造業者と結婚したが、数年前に夫を亡くし、現在は未亡人との由だった。
 私はその夜、彼女とすっかり意気投合し、別れぎわには、翌日の訪問を約すぐらいに親しくなっていた。
 しかし、この一夜の出会いが、ここにつづる奇妙な、だが甘美な快楽に色どられ、息詰まるような魅惑に満ちたかずかずの体験のプロローグであったとは、神ならぬ身の知る由もなかった。

 翌日の午後、私は、南モルトン街のハーコート夫人の家の玄関に立ち、はやり立つ心を無理におさえつけながらベルを押した。
 ドアが開かれると、女中らしい服装の美しい、若い娘がそこに立っていた。
 彼女の顔には、何か誘うようないたずらっぽい微笑が浮かんでいた。
「ハーコート夫人はご在宅?」
「はい、どなた様でいらっしゃいますか?」
 私が名のると、彼女は私を内部へ入れ、趣味のいい家具調度類に飾られた客間に通して去った。まもなく娘は戻って来ると、
「どうぞ、こちらへ、奥様はただいま寝室にいらっしゃいますが、すぐにお目にかかるそうです……では、お帽子とステッキをお預かりいたします」
 娘は、私から帽子とステッキを取り、壁ぎわの帽子掛けにかけようとしたが、小柄な彼女には少し無理な高さにあり、そのため彼女の魅力的な乳ぶさの形も、むっちり張った形のいいお尻の曲線も、斜めうしろに立つ私の目にあらわになり、スカートの下からは、純白のペティコートの裾がちらりとのぞいた。
「君には少し高過ぎるようだ。私が手伝おうか?」
 彼女は、ニッと笑ってうなずいた。
 私は、帽子とステッキをかけると、突然、彼女を片手で引き寄せ、私のほうへからだをねじ向けた。
 彼女は、何も言わず、例の不可解な微笑を浮かべて私を見上げると、私の接吻を待つように目を閉じた。
 私は、この娘の新鮮な魅力に抗しかねて、彼女に口づけし、そのあいだ、片手は盛り上がった胸の二つの乳房を愛撫し、もう片方をスカートの下へすべり込ませ、下着の上から引き締まった若々しい下肢をなでさすり、豊かなお尻のふくらみのタップリした感触を味わった。
「まあ、そんなことをなさって!」彼女は、私の胸の中で、うめいた。「奥様がご覧になったら、なんておっしゃるでしょう」
「わかりっこないさ」
 そう言いながらも私の手は、彼女の悩ましい曲線をまさぐり続けた。
「でも、もし私が言いつけたら?」
 小悪魔のような白い顔に、いたずらっぽい笑いが浮かんだ。
「悪いかた」そう言って彼女は、私のズボンの前を軽く叩いた。
「もちろん、君は、そんな告げ口はしやしないさ」
 私は、階段を昇りながら、彼女に言った。
 だが、あとになって、この軽いいたずらが、手痛いしっぺ返しを伴って返ってこようとは考えてもみなかった。
 二階に上ると、女中のジュリエットは、ハーコート夫人の寝室の次の居間へ、私を通した。
 この部屋も、洗練された趣味で整えられており、しかも、暖かい居心地のよさを感じさせてくれるたたずまいだった。ソファも椅子もテーブルも、すべて低く造られていて、すばらしく心地よかった。
 ミュリエルは、ソファに腰をおろしたまま私を迎えた。
 彼女は、胸のところを思いきり深くカットし、袖のゆったりしたピンク色の絹の薄いガウンを着て、申し分なくあでやかで美しかった。
 彼女はニッコリほほえんで立ち上がると、私に向かって、両手を広げて抱くようなゼスチュアで近寄って来た。
 絹のガウンは、彼女のあらゆる部分の曲線にピッタリ吸いつくような代物で、その下に下着をつけていないのではないかと思うほど、ミュリエルの素晴らしい肉体の線はあらわだった。
 軽やかな衣ずれの音とともに、何かバラ油と紫檀のミックスされたような芳香が、私の鼻孔に流れ込んでくすぐり、エモーショナルな気分をいっそう高めるのだった。
 私たちはどちらからともなく抱き合い、長い口づけを交わし合った。
 彼女は、コルセットを着けていなかったので、私の手は、むっちり張り切ったお尻のあたりを、じゅうぶんに撫で回すことができた。
「乱暴でセッカチなクマさんね、あなたは」
 彼女はメッと、いたずらっぽい目つきで、私をたしなめた。
「お茶をいただいてしまうまで待つのよ」
 そう言いながら、私の腕からすり抜け、ミュリエルは、私のズボンの前に軽く触れてみるのだった。
「まあ、あきれたひと、もうこんなに……」
 彼女はそう言うと、すでに目の前にいる美しい女性の熱い肉体に恋いこがれて、涙さえ流している私の男らしいからだの部分をもう一度軽くたたいた。
「あたくし、昨夜、この悪い坊やにオックスフォードのパーティーで、次に会うまで待っているのよ、って言ったけど、言うことをきかない子らしいわね、セシル」
 そこへ、ジュリエットがお茶を運んで来た。テーブルの上に置かれた物は、ボヘミア産の優美なガラスの酒瓶と、それに対のグラスが二つだった。
「クレーム・ド・カカオをご存知?」私の不審げな顔を見て、ミュリエルは言った。「すばらしいお飲みものよ」
 私たちは、お互いのグラスをカチリと合わせて、
「ヴォートル・サンテ」
 と言い合った。
 私は、一息にそれを飲みほすと、グラスをテーブルに戻して、ミュリエルを見た。
「まあ、お行儀の悪いひと。これは、そんなふうに飲むものじゃなくてヨ。急いでもダメ、あたしが飲み終わるまではダメよ」
 私は、性急に彼女を腕の中に抱こうと、手を伸ばしたが、
「ほんとにあなたっていけない子ね」と、今度はだいぶ強くたたかれて、スゴスゴ引きさがらなければならなかった。
 私は、ソファにすわり直すと、クレーム・ド・カカオを味気なくすすった。
 そんな私を彼女はさもおもしろそうに、からかうような目つきで見つめるのだった。
 やがて、彼女は、からになったグラスをテーブルに置くと、たばこを取って、私にすすめ、自分も一本抜き、火をつけて一口吸い込むと、微笑しながら言った。
「あまり、じらせちゃかわいそうね」
 私は答えるいとまも惜しく、ミュリエルの前に膝まずくと、狂ったように彼女を抱き締め、唇をむさぼった。
 彼女は、たばこを灰皿にもみ消すと、立ち上がって、ガウンのベルトをはずしだした。
 ピンク色のガウンがハラリと床に落ち、純白のローン地のシュミーズとペティコートだけのなまめかしい姿になった。
 私はすばやく彼女の乳ぶさをつかみ出すとその先端のデリケートな赤いつぼみに熱烈な接吻をし、力いっぱい吸いあげた。彼女の敏感な愛の呼鈴は、私の狂おしい愛撫にこたえて、堅くふくらみ、音にはならない情熱の鈴をかき鳴らし始めた。その間も私は、ペティコートをたくし上げるのに余念がなかった。
 彼女の左手も、私のズボンの前ボタンをもどかしげにまさぐり、さっきからじれて狂いそうになっている〃私〃を、優しくなぐさめてくれていた。
 私も負けずに黒絹のストッキングと、淡いグリーンのガーター・ベルトを震える手ではずし、純白のローン地のレースで縁取られた優美なドロワースを押し広げていた。
 そこには、私が渇望してやまなかった、なめらかな白い肌と対照的な濃い栗色の巻き毛の神秘な林におおわれた、魅惑の丘があった。
 私の目は、しばし、その魅力のスポットに吸いつけられて離れなかった。
 ミュリエルは立ち上がると、白い指先で、私の肌を愛撫し、片手は、私の裸のお尻をなで回していた。
「おお、かわいい人。それにあなた、なんてすてきな、男らしいお尻をしているの」
 私は、一刻も早く愛の行為に移りたかったが、彼女がいやがりはしないかという心配もあった。しかし、驚いたことに、彼女は、私を突きのける代わりに、私の頭を押えて、自分のほうに強く押しつけてきた。
「おお、かわいいセシル、あなた、あたしがしてもらいたいことが、どうして、わかったの?」
 彼女は、ソファに腰をおろしたまま、からだを大きく開いた。
 
 
 
 
〜〜『鞭の歓び』(神坂冬彦訳)〜〜
 
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